EAFF E-1 Football Championship 2017 Round 2 HONG KONGの男子の大会は11月6日から12日まで開催され、2017年に日本で開催される本大会の出場枠1つを開催国香港とチャイニーズ・タイペイ、グアム、朝鮮民主主義人民共和国が争った。
たびたび満員となった旺角スタジアムでの6試合の激戦を経て、勝者となったのは朝鮮民主主義人民共和国。3試合全てで相手チームを打ち破り、1ゴールも奪われることはなかった。ANDERSEN Jorn監督のチームは4ヶ国の中で最も成熟しており、大会を通して非の打ち所がなく守備面の規律やよく組織された中盤と攻撃陣に加え、フィジカルコンディションも万全だった。
大会MVPに選出されたRI Yong Cholの落ち着きと力強さが印象的だったのに加えて、中盤での運動量で存在感を放っていたKIM Kuk Bomや、香港との大一番で見事な独走から決勝ゴールを奪ったJONG Il Gwanなどが朝鮮民主主義人民共和国でも特に目を引くパフォーマンスを見せていた。3試合連続無失点を守ったRi Myong Guk(GK)の安定したプレーも称賛に値するものだった。
香港は朝鮮民主主義人民共和国との最終戦に敗れはしたものの、魅力的なスタイルのサッカーを見せており、地元サポーターの情熱を大いに掻き立てていた。3試合全てで失点を喫したとはいえ、グアム戦とチャイニーズ・タイペイ戦はおそらく今大会を通して最もスリリングだったと言える2試合であり、香港の新たなサッカー文化の発展に寄与する戦いであったことは間違いない。
ナイジェリア生まれのAKANDE Alexanderは計6ゴールで大会得点王に輝いたが、開催国である香港の見応えある選手は彼一人だけではなかった。YAPP Hung Fai(GK)やBAISE Festus(DF)、FERREIRA LEONARDO Alessandro(MF)らも特筆に値する選手たちだった。
チャイニーズ・タイペイは苦しい状況で大会を迎えていた。直前にIMAI Toshiaki前監督が退任し、経験豊富な日本人指揮官であるKURODA Kazuo監督が就任したばかりだった。最初の2試合では奮闘しながらも朝鮮民主主義人民共和国と香港に敗れる結果に終わり、早々と望みは絶たれた。だが第1ラウンドのMVPに輝いたLIN Chieh-Hsunがチームに復帰すると、チャイニーズ・タイペイはグアム戦で見事1勝を挙げることに成功。全体的に若いメンバーだが、その中でもCHEN Po-Liangが輝きを放っていた。優れた才能を強靭なフィジカルで支えるオールラウンドなMFだ。
カリスマ的指導者のWHITE Gary前監督を失って以来初めてこの大会に臨んだグアムは、SAWATZKY Darren新監督のもとで3戦全敗という厳しい結果に終わった。だが、”マタオ”にとって全てが悪いことばかりではなかった。主将のCUNLIFFE JasonやMALCOLM Shane(FW)など興味深い才能を持った選手たちがいることも見て取れた。
全体を通して見れば非常に心に訴えかける大会であり、東アジアサッカーの着実な成長を見て取ることができた。今後数年間に開花する時を待つ若いタレントが数多く力を見せていた。
香港サッカー協会による大会運営はトップクラスであり、香港のサポーターたちも、たとえ小国であっても情熱で数の差を埋められることを証明してみせた。
次は2017年に日本で本大会が開催される。日本、中国、韓国の3ヶ国に朝鮮民主主義人民共和国が加わり、東アジア王者の座を懸けた最後の戦いに臨む。