日本
AFC U-19選手権に優勝した日本は5大会ぶりのFIFA U-20ワールドカップ出場となる。「2015年にチームを立ち上げて83名を招集し、結果的に21名になった」と語る内山篤監督は[4-4-2]のフォーメーションをほぼ固定的に採用しながら、様々な組み合わせをテストし強化を重ねてきた。“東京2020”世代でもあるチームの目標はグループリーグを突破し、世界で1つでも多く試合を経験することだが、指揮官は「やる以上は頂点を目指す」と意気込みを語る。
キャプテンの坂井大将やエースストライカーの小川航基など継続して選ばれてきたメンバーをベースに、原輝綺など途中から定着した選手、AFC U-19選手権後に召集され、“飛び級”で最終メンバーに残ったFW久保建英らを加えたチームはコンパクトにプレッシャーをかけてボールを奪い、状況に応じてポゼッションとカウンターを使い分けるコレクティブな組織を形成する。
攻撃のキーマンはAFC U-19選手権でMVPに輝いた堂安律。ガンバ大阪で3試合連続ゴールを決めるなど、着実に成長を示しており、本大会でのブレイクが最も期待される1人だ。“チームの心臓”であるボランチは坂井を軸にパワフルな原、縦のミドルパスを得意とする市丸瑞希、CBの主力候補でもある長身の冨安健洋と多士済々のメンバーが揃い、内山監督の起用法が勝敗に大きく影響しそうだ。
「個々の意外性、迫力がある」と内山監督が評価する南アフリカ、「堅守速攻で個もいる」ウルグアイ、「試合巧者」のイタリアと難しい相手が続くが、持ち前の組織と個性を融合できれば勝利が見えてくる。
韓国
4年ぶり14回目の出場となる韓国。韓国開催が決まって以降、チーム強化に取り組んできたが、昨年10月のAFC U-19選手権でまさかのグループリーグ敗退に終わり、それまで指揮していたアン・イクス監督が辞任。代わってAFCアジアカップ2015では韓国代表コーチとして準優勝、監督を務めたリオデジャネイロ五輪では韓国をベスト8に導いたシン・テヨンに立て直しを託した。
就任当初は実質6か月しかなかった準備期間が不安視されたが、ポルトガル遠征を含む9回の親善試合で自信と連携を深めてきたのがチームの特長だ。そして、その中心となるのが、MFペク・スンホとFWイ・スンウの“バルサ・デュオ”だろう。小学生時代にFCバルセロナの下部組織にスカウトされ、スペインでその技量に磨きをかけてきたふたりは今大会の注目株だ。韓国のメンバーは大学生中心のチーム構成だけに、ふたりにかかる期待は余計に大きい。
韓国が属するグループAはギニア、アルゼンチン、イングランドが属し、現地では「開催国アドバンテージがない“死の組”だ」ともされているが、果たして最低目標とするベスト8進出を成し遂げることができるだろうか。